海外日記

ナイジェリアで身の危険を感じた話

日本は至極平和な国だ。

日本国内に居るだけでは、その実感は湧かない。

ただ、海外に身を置いていると、時折身の危険を感じることがある。

 

 

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ナイジェリアは、アフリカ大陸の北西部に位置する国だ。

世界でも有数の産油国であり、アフリカ経済全体の約4分の1はナイジェリアによるものらしい。

ここの首都ラゴスは、アフリカの中でも大都会の一つ。

中心地ではビルが立ち並び富裕層も少なくない一方、道端やスラム街では物乞いも多く、貧富の格差が大きい。

ナイジェリアは、アフリカの中でもどちらかというと治安が悪い方に属する。

 

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日中に複数の顧客を訪問し、ホテルへの帰り道。

大通りの道路が渋滞していた。

車内は日本人の同僚と、現地人のドライバーと3人で乗車しており、3人にしては少し大きめな車。6人乗り程度の四駆。

もう夕日もほぼ沈んで、辺り一辺は夜と感じられる時間帯。

帰宅時間にも関わらず、車は遅々として進まず、周りの車のドライバーも同じように、少しイライラし始めているだろうなというのは何となく感じていた。

 

 

異変は、ちょうど自分たちの車から向かって左隣に並んでいる車の間で起きた。

左隣の車線で走っていた白いハイエースのような車が、前を走っている車にぶつかった。

渋滞していたために、そんな大きなスピードは出ておらず、軽く追突したように見えた。

実際、そこまで大きな衝撃もなかったようで、軽くぶつかった程度だ。

 

ぶつけられた車からは、かなり大柄な黒人が二人出てきた。

ここの国の人たちはガタイがでかい、筋肉マンタイプが多い。

普段筋トレをしているわけではないのだろうが、生まれつきなのか。

それとも、何か特定のスポーツや労働に従事してきたのだろうか。

いづれにしても、パッと見でかなり大きい体格で、喧嘩の相手にはなりたくない。

 

 

ぶつかってきた車のドライバーと口論になるのかと思いきや、なんとぶつかってきたハイエースの窓ガラスを割り始めたのだ。素手に見えたのだが、恐らく素手では無理だと思うので、恐らく石か何かで、若しくは腕に何か付けていたのかもしれない。少し暗かったので、あまり詳しくはわからなかったが、いずれにしても、窓ガラスを二人で割りまくっていた。四方の窓ガラスを全部割っていた。

まるで映画を見ているような光景。後ろから車をぶつけられただけで、車の窓ガラスを全部割るなんて、どう考えても頭がおかしい。いや、普通に事情聴取して警察呼んで、若しくは普通に修理代もらおうよ。。やられたらやり返すが彼らのモットーなのか。賄賂が横行するこのナイジェリアでは、そもそも警察に頼ることが意味をなさないのか。

 

窓ガラスを割られた車からは、貧しい感じの服を見にまとった老若男女がぞろぞろと出てきて、その場で立ち往生する形になっていた。どうやら、労働者を運ぶマイクロバスのようだった。ドライバーに追い出されたのか、身の危険を感じて飛び出してきたのか。。。彼ら彼女らはこの後どうやって家路についたのか、分からない。。。

 

車内で、自分と同僚はその光景にビクビクしており、早く車線を変えて離れた方が良いと内心思っていた。

が、当のドライバーは全く気にするそぶりも見せず、余裕の表情で少し笑いながらこう言い放った。

 

  "This is Nigeria" 「これがナイジェリアだ」

 

もはや、これは当たり前の光景なんだと言わんばかり。

ドライバーはほとんど気にする様子も無く、渋滞の中で車を走らせていった。

自分たちはたまたま隣でこんな状況に遭遇したが、下手したら自分らの車の窓ガラスが割られてたかもしれない。

多分、あのドライバーの表情からするに、日常的にこんな事が起こっているのだろう。

 

 

他にも、自分が体験した訳ではないが、他にも怪しい・危ない話を沢山聞いた。

別の同僚が、以前ナイジェリアに出張している際も、真っ暗な場所で、車の窓の隙間から裏マーケットで外貨交換をしたとかの話を聞いたし、日本からVIPな人らを連れて行く際には、現地のお客さんから銃をもったボディガードをつけたりもする。

他にも、警察による検問を無断で通り過ぎたドライバーが語った話で、実はあれは警察ではなくて、警察のフリをしている追い剥ぎ集団だったとか。。。

 

 

こんな話聞いてると、つくづく日本は平和な国だと改めて感じる。

(別の意味では、実はそうではないのだが。。。)

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